特に、秋から冬にかけて猛威をふるう、ウイルス性胃腸炎。
子供、大人関係なく、人から人へもうつる感染症です。
ウイルス性胃腸炎にうつると、嘔吐(おうと)や下痢などの症状が出て、トイレから離れなれなくなり、まともに食事もとれません。
そんなウイルス性胃腸炎にうつらないようにするには?
感染の原因や経路、潜伏期間を知り、感染予防の対策をしましょう。
もし、あなたがうつってしまった場合は?
その治療法も知りたいですね。
今回は、そんなウイルス性胃腸炎に関する症状や感染原因・経路、潜伏期間についてお話させて頂きます。
ウイルス性胃腸炎とは
細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。
毎年、秋から冬にかけ流行します。
病原体により、潜伏期間や症状は多少異なりますが、嘔吐や下痢が主な症状になります。
ウイルス性胃腸炎の原因とされるウイルスは、ロタウイルス、ノロウイルスなどがあります。
ウイルス性胃腸炎の症状
ウイルス性胃腸炎は、その病原体により、多少症状が異なります。
以下で、ウイルス性胃腸炎のノロウイルスとロタウイルスの症状を解説します。
ノロウイルスによる胃腸炎
主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛です。
子供は嘔吐、大人は下痢の症状が特にひどい傾向があります。
ただし、感染者の中には、ちょっとしたお腹の違和感程度の軽い症状だけの方や、強烈な吐き気や下痢を短時間で何度も繰り返す重い症状の方がいるなど、個人差がある場合があります。
大人で、ウイルス性胃腸炎になった場合は、こちらの感染の方が多いです。
症状の期間は、およそ24~48時間です。
ロタウイルスによる胃腸炎
主な症状は、嘔吐、下痢、発熱です。
子供の場合は、けいれんを起こす場合もあります。
ただし、感染者の中には、軽い風邪程度の症状の方や、1日に何度も嘔吐、下痢を繰り返す重い症状の方がいるなど、個人差があります。
子供で、ウイルス性胃腸炎になった場合は、こちらの感染者が多いです。
症状の期間は、1日から長い場合は、およそ1週間かかる場合もあります。
嘔吐→発熱→下痢という経過をたどり、嘔吐は1~2日、発熱は半日~1日ほど、下痢は1日から長いと5~6日続く場合があります。
特に、小さいお子さんの場合は、嘔吐したものをのどに詰まらせる場合もあるので注意してください。
また、ロタウイルスにうつった方の便は、お米の研ぎ汁のような白い便が出ます。
ウイルス性胃腸炎の原因、感染経路
とても小さなウイルスで、広範囲に飛散したり、簡単には除菌されないので、気づかないうちに、うつっている可能性があります。
主な感染の原因・経路をご紹介します。
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食品や水からの感染
加熱していない生牡蠣や貝類から感染する場合があります。
また、ウイルス性胃腸炎に感染した方が調理したものを食べ、感染する場合もあります。
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人から人への感染
感染者に直接触れたり、感染者が触れたものから感染する場合があります。
感染者の手に菌が付着している場合、その感染者の手を触ったり、ドアノブやトイレなどで感染者の後に触ってしまい、その菌が除菌されていない状態で、口に触ったりし、口から体内に感染する場合があります。
嘔吐の際の飛沫感染(咳に直接触れたり、咳から飛んだ菌がホコリなどに付着し、それを吸ってしまったなど)もあります。
また、嘔吐物を処理する際にも、直接触ってしまったり、飛沫感染の可能性もあるので、充分注意が必要です。
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ペットからの感染
感染者と接触しているペットから感染する場合もあるので注意が必要です。
ウイルス性胃腸炎の潜伏期間
潜伏期間は、1~3日ほどです。
1~3日ほどすると、突然嘔吐や下痢などの症状が現れます。
ウイルス性胃腸炎の予防法
予防法を6点紹介します。
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手洗い・うがいの徹底
帰宅時や、食事の準備、食事の前には、必ず石鹸を使い、手洗い・うがいを行いましょう。
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牡蠣などの貝類や肉類はしっかり内部まで加熱しましょう。
生食は避けましょう。
冷凍することで、菌の繁殖は防ぐことができますが、菌が完全に滅却される訳ではありません。
しっかり中まで火を通すことにより、菌は死滅しますので、充分火を通しましょう。
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食器や調理器具の殺菌
食器や調理器具についている菌からでも感染します。
塩素系の消毒剤や漂白剤を使い、除菌するようにしましょう。
また、熱で死滅しますので、熱湯につけて除菌してもよいです。
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マスクをしましょう
口からの感染を防ぐため、感染者がいる場合や、人込みの中にいる場合は、マスクでの予防も大切です。
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嘔吐物、下痢の処理からの感染に注意
嘔吐物や下痢には、ウイルスが大量に含まれています。
ほんの少し体内に入っただけでも感染してしまいます。
嘔吐物や下痢をちゃんと処理しておかないと、それらが乾燥した後、風にのって菌がまき散らされます。
早めに処理をし、塩素系の消毒剤や漂白剤でしっかり除菌しましょう。
また、それらの処理中に手についた場合や気づかない間についている可能性もあります。
その手で他のものを触らない、手をしっかり除菌することも忘れないでください。
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予防接種をしよう
ロタウイルスは、予防接種ワクチンがあり、任意の接種になりますが、乳幼児を中心に予防接種を受けることができます。
しかし、残念ながらノロウイルスは予防接種はありません。
ウイルス性胃腸炎の治療法
残念ながら、特効薬はありません。
体内から、少しでも早くウイルスを排出することが大事です。
そのため、病院などで処方される薬は、整腸剤など、ウイルスを早く排出させるものが処方されると思います。
病院で処方された場合は、その薬を飲み、病院に行っていない場合は、ご家庭にある整腸剤を飲むか、薬は飲まず、体を休め、少しでも早くウイルスを排出させるようにしましょう。
間違っても、嘔吐や下痢を止めようと、下痢止めを飲んではいけません。
体内から菌が排出されず、かえって感染期間が長くなってしまいます。
嘔吐や下痢がひどい場合は、それにより脱水症状になる場合があります。
嘔吐や下痢が続いているときは、少し水分をとっただけで、それがそのまま嘔吐や下痢につながってしまうことがあります。
少し落ち着いているときに、水分をとって、脱水症状にならないように気をつけましょう。
ウイルス性胃腸炎にかかった私の経験
私も数年前にウイルス性胃腸炎に感染したことがあります。
子供が以前感染したときにも、嘔吐物の処理をし、その時は感染しなかったので、油断もあったのでしょう。
同じように処理したつもりでしたが、いつの間にか感染していたようです。
それは、子供たちの症状も全て完治し、もう大丈夫だと安心していたときのことです。
たまたま、夜に友人と飲みに行く約束をしていました。
夕方から、ちょっと下痢気味だなと思っていましたが、感染しているなんて思ってもいなかったので、そのまま飲みへ。
久々にその友人のお店で飲んでいて、2時間ほどしたとき、急に上と下から違和感が・・・。
慌ててトイレに飛び込むと、嘔吐と下痢が同時に発生しました。
その後は、飲み食いできる状態ではなかったので、友人やなじみの店だったので、店主にも事情を話し、早々と解散になりました。
帰宅後、すぐに就寝しました。
私の嘔吐・下痢はその1回だけで、翌日にはまだ多少の違和感はありましたが、それ以上はありませんでした。
(飲みすぎての嘔吐ではありませんよ。普段吐くことなどないので)
後日、友人や店主とお話をしましたが、友人は感染せず、店の客にも感染者がいなかったのは幸いでした。
ウイルス?ウィルス?どちらが正解?
日本では、「ウイルス」が標準的な表現です。
つづりは、「virus」で、ラテン語で「毒」を意味する言葉です。
ラテン語の発音は、[wiːrʊs]なので、日本語にすると、[ウィールス]と表現できます。
そのため、ラテン語の発音だと、「ウィルス」が最も近いと言えます。
でも、日本では、新聞や書籍で使われている表現が標準となります。
新聞では、「ウイルス」で統一され、「日本ウイルス学会」も「ウイルス」としていますので、「ウイルス」が一般的な表現となります。
ウイルス性胃腸炎にかかった方の復活までの動画
ウイルス性胃腸炎は、感染しないのが一番ですが、もし感染した場合、間違った対処は、症状をさらに苦しめ、長引くだけです。
正しい対処で臨みましょう。
おわりに
今回は、ウイルス性胃腸炎についてお話させて頂きました。
ウイルス性胃腸炎の症状、どのようにうつるのか、感染の原因や経路、潜伏期間などについてお話しました。
目に見えない菌ですが、油断すると後でひどいことになりますので、充分注意しましょう。
周りからもらわないこと、そして自分も周りにうつさないようにしましょうね。
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