3月3日はひな祭りですね。
ひな祭りには、ひな人形を飾って、菱餅やひなあられを備えて、ちらし寿司や白酒などを楽しむというご家庭も多いのではないでしょうか?
今回は、このひな祭りのときの食べ物の由来を解説していきたいと思います。
ひな祭りの食べ物
ひな祭りによく食べるもの7種の由来などを説明させて頂きます。
食べるのは知っているけど、なんで食べるようになったのかは知らないって意外と多いですよね。
それを知ることによって、また違った面持ちで食べられますし、食べ物に込められた願いを知れば、それを作るとき、食べるとき、子どもに食べさせるときにも、より一層愛情を込められると思います。
ちらし寿司
ひな祭りに、ちらし寿司を食べるということには由来はありません。
平安時代にはお祝い事のときに「なれ寿司」を食べる風習がありました。
「なれ寿司」とは、主に魚を塩とお米を発酵させた食べ物で、現在の寿司の原型とも言われています。
この「なれ寿司」がひな祭りに食べられていて、これがちらし寿司に代わったのではとも言われます。
ただ、見た目も味もちらし寿司とは全く違うので、どのような経緯でちらし寿司を食べるようになったのかは明確には分かっていません。
ただ、ちらし寿司の始まりとしては、江戸時代に、倹約のため一汁一菜(いちじゅういっさい)にするような命があったとされます。
一汁一菜とは、主食(白米や玄米、雑穀米)に、汁物(味噌汁)一品と、菜(おかず)一品だけの粗食のことです。
そんなときに、寿司飯に、様々な野菜や魚などを混ぜ、一菜としたということから生まれたようです。
昔の方々の知恵ですね。
また、寿司という漢字は、えび=その見た目から腰が曲がるまで長生きできるように、豆=健康で豆に働けるようにという願いが込められています。
また、菜の花は春らしさ、三つ葉・ニンジン・卵などは、華やかな色どりで、見た目にも美しさを増してくれます。
菱餅(ひしもち)
桃(紅)、白、緑の3色の持ちをひし形に切って重ねた和菓子のひとつです。
白は血圧を下げるひしの実、緑は健康、桃(紅)は魔よけを意味するというのが一般的です。
また、白を雪、桃(紅)を桃とし、雪が解け、大地に新芽が芽生え、桃の花が咲くという春の景色を表しているとも言われます。
また、そのひし形の形は、心臓を意味しているとも言われ、災厄を取り除こうという気持ちや、親が娘の健康を願う気持ちが込められているとも言われています。
ひなあられ
デンプンが多く含まれていて、健康にも良いと言われる和菓子のひとつです。
ひなあられは、3色のものと4色のものがあります。
3色の場合は、桃(紅)、緑、白の3色で構成され、緑=木々の芽吹きを意味する木々のエネルギー、桃=桃や桜など春の花を表す春、黄=イチョウなど紅葉を表す秋、関西のひなあられは、しょう油や塩で味付けがされています。
関西は、菱餅を砕いて作ったと言われています。
菱餅が3色から構成されているので、関西のひなあられも3色です。
関東のひなあられは、砂糖で味付けがされています。
関東は、4食が主流とされます。
白酒(甘酒)
元々は、桃の花びらを漬けた「桃花酒」というものが飲まれていました。
「桃花酒」は、薬酒のひとつとして、中国から伝わってきました。
桃は邪気を祓い、気力や体力の充実をもたらすとされています。
それが、江戸時代に入ると、みりんに蒸した米や麹を混ぜで熟成させた「白酒」の方が好まれ、そちらが定着しました。
白酒はお酒なので大人しか飲めません。
ひな祭りは、女の子の健康を願う行事ですが、大人も行事を楽しんでいたんですね。
で、やっぱり昔から行事には、お酒は付き物と(笑)
でも、白酒はお酒なので、子どもは飲めません。
子どもに飲ます場合は、白酒ではなく、代わりに甘酒を飲ませました。
甘酒は、アルコールが入っていないので、子どもでも飲むことができます。
また、白酒は作るのに時間がかかりますが、甘酒は1日もあれば作ることができたため、白酒の代わりに、同じ雰囲気を味わうため、甘酒が飲まれるようになりました。
はまぐりのお吸い物
はまぐりは、平安時代には「貝合わせ」という遊びでも知られています。
はまぐりは、漢字で「蛤」と書きます。
この漢字からも分かるように、はまぐりの貝殻は、対になっている貝殻でないとピッタリと合いません。
なので、はまぐりは、仲の良い夫婦を表しています。
良い結婚相手と出会って、一生一緒に、夫婦仲良く過ごせるようにという願いが込められています。
桜餅
桜餅の場合も、ひな祭りに食べるということに由来はありません。
なぜ食べられるようになったのかには、いくつか説があります。
- ひな祭り=桃の節句=桃色(ピンク)=桜色なので、桜餅という説
- 端午の節句には柏餅を食べる風習があり、それと対をなすように春らしい桜餅という説
- 菱餅があまりおいしいものではなかったので、代わりに春らしい和菓子で、おいしい桜餅を食べるようになった説
- 女の子が主役で、春を感じさせ、見た目にもきれいな桜餅が合うということから食べるようになった説
昔の風習の起源を調べると、見た目や語呂合わせ、その旬の時期のものが起源になったいるものばかりです。
そう考えると、女の子のお祝いになるもの、春らしいものということで食べられるようになったと考えてもよいのかもしれませんね。
手まり寿司
手まり寿司とは、一口サイズのお寿司のことです。
通常のお寿司の半分くらいの大きさで、丸めた酢飯の上に、好きな物を乗せます。
刺身でも、漬物でもなんでも構いません。
見た目も大変かわいらしく、食べやすくて、色々な味が楽しめるので、おもてなしとしても大変喜ばれる一品です。
小さいお子さんでも、食べやすいので、ひな祭りのときに、ちらし寿司の代わりに、手まり寿司にしているご家庭も増えているようです。
おにぎらずならぬ「巻かず寿司」の作り方
手まり寿司みたいな感じですね。
見た目もとっても可愛らしく、おいしそうです。
おわりに
今回は、このひな祭りのときの食べ物の由来として、ちらし寿司、菱餅、ひなあられ、白酒、はまぐりのお吸い物、桜餅、手まり寿司の7種類をご紹介させて頂きました。
ちらし寿司、桜餅、手まり寿司など、食べるようになった由来がはっきりしていないものもあるんですね。
でも、どれも女の子の健康や幸せを願っていたり、春らしいものばかりですね。
ひな祭りで、ひな人形を飾らなかったり、今回紹介したような縁起の良いものを食べなくなったご家庭も増えてきてまいます。
でも、過ぎてみれば子どもが小さい時期は短いので、少しでも子どものために何かしてあげたいと思う今日この頃です。
そして、ひな祭りだけでなく、昔からの良い伝統、風習を子どもや孫世代にも伝えていくために、私たちもできることをしていきたいですね。
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